瀬織津姫と饒速日命。 二柱の根源神が作り、地球に降り立った一番最初の人類は、今とはまるで別物でした。 身長は悠に4メートルを超え、遺伝子の本数は24本(現代人は2本)。 寿命は約36万年。ほぼ不老不死、死の恐怖を知りません。 優れた運動能力を持っていて、長い手足で優雅に動きます。 その身を保つ為のエネルギーは全て宇宙から取り入れ、食事は祭祀の為の月に一度程度。 もちろん病気にもなりません。 そして言葉は持たず、伝達手段はもっぱらテレパシー。 言葉はうんとあとに、後の人類が嘘をつく為に生まれたのですね~。 テレパシーなので嘘はつけません。 そもそも嘘の概念がありません。 感性は高く、遥か彼方から己が魂の片割れ、ツインレイがやって来ても、それがすぐに誰かわかります。 相手の気持ちを試す為の駆け引きも堂々巡りもありません。 そんな原初の人類が根源神によって作られ、小さな星の、小さな洲に降ろされました。 目的は宇宙全体の魂の進化です。 進化のテーマは慈愛です。 それによってのみ、大宇宙は進化していけるのです。 瀬織津姫と饒速日命は真心込めて、スメラミコトとなる人形に自らの一滴の魂を分け入れ、地上に降ろしました。 二柱は、次に移動の為に空を自由に行き来する乗り物作りに着手しました。 高次元から取り出した、ヒヒイロカネと呼ばれる非常に強く、とてつもなく軽い、誠に不可思議な素材を用いて作られたその乗り物は、アメノウキフネと名付けられました。 そして幾つかのアメノウキフネの発着所を作りました。 ピラミッドのような形をした発着所は、今では皆神山、位山と呼ばれています。 二柱は海の水が引けて洲が島となり、大陸となった頃に沢山の人類を今で言う中国のあたりに降ろしました。 しかしその頃既に、闇淵(やみわだ)の追手は迫っていたのです。 敵は地底に通じ、地底を棲み家として、ダミーの人類がどんどん量産されてゆきました。 先に地底に降りていた種族エルフは住処を追われ、余儀なく北欧の地へと逃れ、やがて北欧の民の祖先となりました。 闇淵の追手をこれ以上広げまいと、その地の周辺に高い山と砂漠を築き囲い込み、土地を後にしました。 こうして瀬織津姫、饒速日命の中つ国、つまり物質世界を治める歩みが始まったのです。 中つ国の華と名付けた中華の土地を離れ、二柱の住居、管制塔となる筈だった龍の形の島へと根源の民を連れ向かいました。 それは豊葦原中つ国(とよあしはらのなかつくに)、秀真(ホツマ)。 今となっては幻と化した、原初の日本についた名前です。
