若かった頃、年末からお正月にかけての7日間余りをリゾートバイトした事を思い出した。 太平洋を一望できる国道沿いの、かなり大きめのドライブインで20名位の募集があったので応募した。 お店は喫茶&レストラン、大広間の座敷に多くのテーブルを置いた和食レストラン、そして広々としたお土産専門ショップ。 三棟が続き合った広い店舗だった。 仕事は朝の9時から夕方は6時まで。3食が付いて泊まる場所はオーナーの持つ別荘で温泉に入ってから夕飯を食べて眠る。 そして翌日マイクロバスに全員が乗り職場へ向かう、というバイトだった。 初日の夜、山の上にあるその別荘に着いてから海が見えるバルコニーに出てみた。 周り中が真っ暗‼️ 街灯ひとつなく四方を見渡しても漆黒の闇。 夜でも明るい都会の人間には驚きしかない。 次第に目が慣れてきたら再び驚いた‼️ 降るような星空が空一面に光り輝いていた。 「見えないけれども あるんだよ」と書いた詩人がいたが、星々はこんなにも頭上にいたのかと涙が出た。 海側を見てみた。 私の視界はまだまだ漆黒の闇。 天と地の境目も分からない情景だ。 その真ん中あたりを八両編成の電車が走っていくのが遠くに見えた。 まるで空へ登ってゆく銀河鉄道そのままだった。 湯冷めするよとバイト仲間に言われても、私は魅入っていた。 こうして楽しみながらバイトを終えて街に戻ったら、星は一つも見えない都会が相変わらず光を散らしていた。 何十年経っても、あの星空と銀河鉄道は、今でも私の心の闇の中に輝き続け、汽笛を鳴らして走っている。
