「やりきらないと、見えない景色がある」 辛い恋愛のあと、 誰と会っても、 どこへ行っても、 なにをしても、心のどこかが埋まらなかった。 友達が開いてくれた合コンにも、幸せになって、アイツを後悔させたい気持ちで参加した。 合コンにいってる事を知って、別れた事を後悔させたい、とさえ考えながら でも、帰り道は決まっていつも、虚しさだけが、残った笑 そんなある日、ふと向こうが、よく話していた登山のことを思い出した。 「神秘的な山がある」って、よく言ってたなあ、 別に嫌いでもないけど、、、、そこまで登山に興味があったわけじゃなかった。 でも、なぜかひとりでその山へ向かっていた。 登りは、想像以上にキツかった。 後悔しながら、ひたすら登る。 途中で、「引き返そうかな」と何度も思った。 「頂上に着いたって、何も変わらないじゃん」って、悪魔が優しく何度も、僕にささやいた。 でも、悔しくて、 、、、ひたすら山を登った。 そして――ようやくたどり着いた頂上。 風が涼しくて、人の声もなく、 時空が変わったみたいだった。 そこで見た景色は、ただの景色じゃなかった。 あまりに綺麗で、涙がでる。 それは、これまでの自分の痛み、執着、孤独をすべて過去に変える風景だった。 その瞬間に思った。 「やりきらないと、見えない景色があるんだ」って。 映画みたいな、ロマンチックな復縁、よりも、 すぐに得られる報酬にかけて、行ったあの合コンよりも、 別れたあとに、プライドを捨てて登ったその山のほうが、もっと苦しかったけど、 ずっと、自分を自由にしてくれた。 きっと、自分にとって、価値があるものって、 きっと自分にとって、それだけ辛いものなのかもしれない。 でも、 別れてなかったら、絶対にいってない登山から、そっと小さな勇気を貰えた。 それは、諦めなければ、 そこには、必ず見たことないような綺麗な景色が、 そこに、あるんだよ。という事を
